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乳がんの再発、脳転移について【開頭手術編】

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こんにちは❤ふくみみです

前回の続きを書こうと思います

乳がんが再発、脳転移したことについてです

 

前回のお話↓↓↓

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 ガンマナイフを勧められる

2019年3月の終わりに仕事中に痙攣発作で倒れて救急車で、近くのプリンセス循環器病院(仮名)に運ばれました

そこで、受けた造影MRIで、脳に2個の腫瘍が発見されました

状態からみて、乳がんの脳転移である可能性が高いと診断され説明を受けました

抗がん剤の副作用もずいぶん楽になり、ガンそのものから遠ざかりつつあったわたしは、現実に引き戻されたような気持ちでした

その、腫瘍の形からみても乳がんが脳に転移したのは疑いようがなく、画像を見ながらわたしは『やられたな、ガンから逃げきれなかったんだなあ』と不思議とわりと冷静でした

続いて、プリンセス循環器病院の先生は言われました

『ふくみみさんが、乳がんの治療を続けておられる、ウエスト市民病院(仮名)に電話して、今後の治療について相談しました』

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そして脳にはBBB脳関門』という特別なゲートがあって、抗がん剤は普通とどかないこと、最善の治療はガンマナイフであることを説明されました

ガンマナイフは特殊な方法で、放射線を脳に照射できるシステムで、脳腫瘍にかなり有効な治療法です

square.umin.ac.jp

 

『この近くでガンマナイフ治療のおすすめの病院は新スマイル病院(仮名)です

ガンマナイフと言えば新スマイル病院と言われるほどで、ふくみみさんの乳がんの先生がそこのガンマナイフの先生と懇意にされているようなので、ウエスト市民病院(仮名)から新スマイルに繋いでもらうことにしました

ウエスト市民病院の脳神経外科には、信頼できるわたしの同僚もおりまして、よく頼んでおきますので、安心してあちらで治療を引き継いでもらってください』

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紹介状やCDRを用意してもらって退院、いつものウエスト市民病院へ引き継いでもらうことになりました

実は救急で運ばれたプリンセス循環器病院は脳外科手術で有名だったので、そこから田舎のウエスト市民病院に移されることは、なんとなく見放されたような気持ちになったものです

初診の日

数日後、いつもの点滴治療の予約日に、ウエスト市民病院で脳神経外科の初診の受付をしました

 

ご紹介の先生は、今日は外来当番ではなく、いらっしゃいませんので、別の先生に診察していただくことになりますがどうされますか?』

え?信頼できる同僚の先生いないの?

市民病院などではよくあることで、週一回だけ外来に来られる先生もいたりします

出直すという選択肢もありましたが、とにかく今日の先生のお話も聞いてみようと思いそのまま受け付けてもらいました

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今日の外来担当の先生はCDRの画面を見せながら説明した後

これはガンマナイフで治療するより、とってしまった方がいいんじゃないかと思います

あっさりとした言われました

『え??』

4cmと2cmってそうとう大きいし、薬で抑えているとはいえ痙攣発作を抱えた状態のままで危険です

ガンマナイフの効果が出るのは1ヶ月から3ヶ月かかるのでその間待ってるよりも、とってしまった方が治療の効果は確実だと思います』

『開頭手術と言うことですか?』

幸い、ふくみみさんはお若いし元気そうだし、腫瘍も手術するのが難しい場所ではないので、検査して問題なければ、わたしとしては、そちらをお勧めします』

『でも、前の病院の先生はガンマナイフを勧めてくれたんですけど』

『そうですね!彼の考えはよく理解できるし、間違ってはいないけど、ふくみみさんにとって、どちらがよいかといえば、手術だと思います

そもそも、この大きさになるとガンマナイフの効果があるかどうか心配です

手術なら確実に切除できますし、その後ガンマナイフを念のために受けていただくというのはどうですか?』

あまりにきっぱりした言い方で、自信満々な感じだったので圧倒されました

 

この時、先生は、すでにわたしの乳がんの主治医と話し合って、今のわたしの体力なら手術に十分耐えられると、結論していたようです 

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あとできくと、先生はプリンセス循環器病院(仮名)の先生の元上司で、プリンセスの先生からも話を聞いてくれていて、今回は意見が分かれたようでした(ガンマナイフor手術で)

病院が違うのにすごいネットワークだと感心するとともに、先生方の真剣さに感謝の気持ちでいっぱいでした

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特に、乳がんの主治医はこの脳神経外科の先生ばかりでなく、病院を超えて、ガンマナイフの先生とも、すでに話をしてくれているようでした

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一般的にガンマナイフは3㎝以下の腫瘍に効果が高くそれ以上大きくなると確率が下がっていくと言われています 

でも今回、わたしがガンマナイフ治療を受けた、新スマイル病院の先生の話では必ずしもそうとは言えないと感じました

ガンマナイフと開頭手術のメリットとリスクについては改めて書きたいと思います

手術前入院

結局、プリンセス循環器病院の『同僚』の先生は登場することなく、わたしはこの「外来の先生」の手術を受けることなります

そう言えば、ウエスト病院の脳神経外科医は4人しかいませんから、そのうちの誰かなんでしょうけど、この『信頼できる同僚』ってどの先生なんだろ?

今度訊いてみます(笑)

 

そして一週間ほど検査のために入院することになりました

部屋は4人部屋

87歳のすい臓のわるいおばあちゃんと、90歳の肺炎をこじらせたおばあちゃん、それと、どこが悪いのかよくわからないけど食欲がない82歳のおばあちゃんが同室でした

 

はじめの日に、おばあちゃんたちが会話しておられました

82歳『便も尿もでない、だから食欲もない、こんなことになったのは初めて』

87歳『そんな時もあるわ、あんたはまだ若いからすぐよくなるよ』

90歳『うんうん』息が苦しいのでうなずくだけ

82歳のおばあちゃんに『若い』といってるおばあちゃんたち、この3人から比べれば、わたしは『先生にお若いと言われるわけだ』と納得しました

 

わたしもふくめ、4人ともほとんど、同時に入院してきたのでお互い知らないことばかりでしたが、87歳のおばあちゃんは、うまくリーダーシップをとってくれる人で、みんなをまとめていってくれました

同室のおばあちゃんたち

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90歳のおばあちゃんは、誤飲性肺炎で酸素吸入をずっとしておられて、本当に苦しそうでしたが2~3日でだんだん良くなっていかれました

はじめは、得体のしれないドロドロな食事が出ていて、ほとんど口にせず、寝たきりでしたが、わたしが手術をする頃には、お粥になり、さらにご飯に変わって、しっかり食べられるようになり、トイレにも自分で行けるまでになりました

82歳のおばあちゃんは、便がでなかったり、薬が効きすぎてピーピーになったり、ずっと『食べられない寝られない』と嘆いておられ、そのたびに87歳のおばあちゃんが慰めたり励ましたり、二人は姉妹のように仲良くなっていきました

87歳のおばあちゃんは、膵臓を1年前に半分とってしまってインスリンを自分で分泌できないため注射しなくてはならず、ほとんど好きなものは食べられない状態でした

今回はインスリンの調整がうまくいかず低血糖を起こしたので緊急入院してきたのです

『そのまま、スーッと意識がなくなるやろ

誰も気づいてくれなかったら、脳がダメになって体が元気でもこっから上はもうあかんようになるとこやった』

首から上を指さして、楽しそうに話します

『今回は嫁が気付いてブドウ糖を飲ましてくれたからぎりぎりセーフやった』

低血糖はとても怖い症状です

インスリンの調整はなかなかうまくいかないもので、血糖値が高すぎると合併症が出るし、低すぎると死に至るデリケートなものなので、毎食前に指を針で刺して血を一滴絞って血糖値を計っておられ、大変そうでした

食事制限も厳しくて、好きなものは食べれれないので、いつも料理番組を楽しみに欠かさず観ておられました

『そんなの観たらよけいに食べたくなるでしょう?』

とわたしがきくと

『ちょっとは、これで満足できるんよ』

とおばあちゃん

 

そういえば、夫も同じことを言ってました

夫は潰瘍性大腸炎と言う病気で、やっぱりとても食事制限が厳しい時期があり、その頃は料理番組ばかり見ていました

しかも、なぜか二人とも、グルメ番組ではなく、今日の料理とか3分クッキングのような番組がすきで、何時にどのチャンネルでやるのかとても詳しかったです

 

『それであなたはどこが悪いの?』ときかれ、脳腫瘍のことを話したときは、本当に気の毒がってくれて『やっぱり病気はどの病気も嫌やね、この病気でよかったて言うのはないわ』と言いました

そして『大丈夫、まだまだ若いねんから、これからや』そう言って励ましてくれました

90歳のおばあちゃんも、まだ息が苦しいときで人のことどころではないはずなのに、一生懸命声を出して、『大丈夫、きっと良くなるよ』と言ってくれ、82歳のおばあちゃんも『全然元気そうや、病気に見えへんよ』と言ってくれました

 

手術前に、わたしが髪を丸刈りにして戻った時も、みんな『かわいい』『よく似合う』とほめてくれました

あの病室でよかったな

おばあちゃんたちのことでは、もっといろいろ面白い話があるので、またいつか書きたいです

 

因みに手術前一週間にわたしがしたことは、腫瘍の位置や大きさを確認し、手術のナビゲーションシステムを使うための、造影MRIの撮影(マップ作りみたいなものでしょうか?)

術前のわたしの状態を確認するためのリハビリテスト(術後に後遺症をはかりリハビリするため)

全身麻酔のテストと教育術前の体調の検査と管理と調整です

リハビリテスト(簡単な体力テスト、漢字や計算のテストなどいろいろ)では、術前なのに勉強不足やもともとの能力のなさに、すでにリハビリが必要なことが暴露されていきました(やばい)

開頭手術の日

手術の日、夫と娘、息子も学校を少し遅刻して顔を見せてくれました

友人がラインで励ましのメッセージをくれたので、一番元気そうに写った自撮り写真を返信して『頑張ってきます』と送りました

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そのあと、どうだったかな?部屋の人とお別れして(大部屋なのでいったん片づけた)家族に見送られ、歩いて手術室まで行ったんだったと思います

酸素マスクをつけられて麻酔を吸引して、、、、、全身麻酔で眠ってしまいました

開頭手術

その後、わたしは一切覚えていませんが、8時間に及び先生方は次のような手術を行ってくださったと思われます

 頭部を固定する

わたしの場合、後頭部から先に手術したらしいので、まず、うつぶせに固定されたと思われます

手術用モニタリング、ナビゲーションなどのセッティングをします

皮膚を切開する

わたしの場合、後頭部に8㎝ほどの傷があります

まずは、そちらから切開したはずです

髪の毛についてですが、わたしは前と後ろ両方の切開が必要だっだため、事前に髪を刈上げに行きましたが、普通は切開する幅に沿って10mm程度そるだけなので、見た目に影響がないことも多いそうです

先生は、わたしの髪を残してやろうと、いろいろ考えて提案してきましたが、わたしは丸刈りで正解だったと思っています

ウイッグも帽子もいいものが沢山ありますから

頭蓋骨を取り外す

皮膚切開の後、頭蓋骨にドリルで数か所穴をあけ、更にその間をドリルで削り、頭蓋骨の一部をふたを開けるように取り外します

頭蓋骨の下にある硬膜という白い厚みのある膜も切開します

脳が露出され、わたしの場合、表面近くにあったので腫瘍が見える状態になったかもしれません

見えてない場合は、脳の隙間をゆっくり開いていき腫瘍に辿り着きます

腫瘍を摘出する

脳室内に腫瘍がある場合、脳を切開して辿り着かないといけませんし、正常脳との境目がはっきりしない場合は正常脳を傷つけないように腫瘍部分のみを切除する必要があります

よっぽどのことが無い限り、腫瘍が一塊にポロッと取りだせるわけではないので、腫瘍の内側から少しずつ少しずつ、止血しながらかじるように、容量を減らす作業を繰り返していきます

そして、十分に内側の腫瘍を減らしてから、外側の被膜を、脳や血管、神経などから、剥がしていきます

わたしの場合、被膜が脳組織に頑丈にくっついていたらしく、完全にはがしきれなかったみたいです

後遺症を残さないために、周りを傷つけない判断が重要です

縫合する

腫瘍を摘出したら、硬膜をもとのように縫合します

髄液が漏れないように丁寧な縫合が必要です

人口膜のゴアテックなどで補強した後、血液から抽出したフィブリン糊で補修します

頭蓋骨を戻して蓋をした上からチタン製のプレートをねじ止めして固定します

最後に皮膚を医療用ホッチキスで縫合します

 

わたしの場合、後頭部と前頭部、これを2回繰り返したわけです

少しは休憩したらしいけど、8時間って、、、

よく集中力が持つよね

 

それでも、先生は『あの手術は、救急でけがをした人を助けるときに処置するレベルだ』と言ってました

そういえば、あの先生救急の度に駆り出されてます

本当に大変な仕事だと思います

 

手術の手順については、実際に先生から受けた説明と

↓↓↓こちらを参考にさせていただきました

手術の流れ|脳神経外科|新百合ヶ丘総合病院

手術の後

目が覚めたら、のどがすごく痛くて『やばい、やっちゃった』と思いました

『お互い風邪だけはひかないように注意しよう』

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先生にいつもそう言われていたからです

先生は、手術まで毎日のように様子を見に来てくれて、話をして

そして最後にいつも『お互い風邪だけはひかないように注意しよう』と言って戻られるのでした

だから、『風邪をひいてしまった!どうしよう?』と思ったのです

 

でも、違いました

 

わたしの目の前には、手術の前の日に『手術担当の看護師です』とあいさつに来られた看護師さんの顔がありました

『手術は無事終わりましたよ、 のどが痛いのは気管挿管したせいです』

 

『終わった?』

そう言えば、頭の痛みが変わっていました

ずーっと鈍痛があり、もう慣れて当たり前になっていたのですが、それが、無くなっていました

代わりに、ひきつれるような、外側の痛みをボンヤリ感じます

 

こんなに、はっきり、見えたり聞こえたり前と全然変わらんやん!

大丈夫やったんや!

手術の成功をはっきりと感じました

自分では、覚えていないのですが、目を覚ました知らせを聞いて様子を見に来た先生に、びっくりするような大きな声でわたしはお礼を言ったそうです

『先生ありがとう!ちゃんと見えるし聞こえる!頭が痛いの無くなった!』

そら、そうでないと困る』先生は笑ったそうです

まとめ

 今回は開頭手術までの覚えていることを書きましたが、かなり横道にそれてしまいました

手術の経過は順調で、2日目には一般病棟に戻り、先生たちを驚かせました

実際には、手術前から2人のリハビリの先生がついてくださり、術後も退院まで寄り添って、相談にのってくださいました

わたしはもともと病院嫌いでわかってなかったのですが、医療スタッフの方は非常に真剣に患者のために動いてくださっているのだと肌で感じることが多かったです

 

次回は、術後の意外な症状や、ガンマナイフのことを書きたいと思います

 

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最後までお付き合いくださり、ありがとうございます

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